0.1ミリのブラジャー製図
- m-nitta
- 2023年5月7日
- 読了時間: 2分
かって私がこの仕事につき始めたころ、今から40数年前頃ですが。
当時まず指導の先輩から教わった技術のひとつに製図の線は0.1リでひきなさいという指導でした。
先輩いわくきちんと精度の高い商品を作り上げる為、マスター製図の精度が一番重要でありそのためには1ミリ幅の中に線を10本ひきなさいと言われ、必死で練習しました。
当時は製図用の2Hのシャープペンシルを芯砥ぎの道具で削り、刃物のように薄くして
製図をしていて今から思えばある種の職人さんの様でした。
0.1ミリの線が引けるようになったときは嬉しさと少し誇らしかった事を覚えています。
それから数年後わが社のインナーウエア部門にもCADを導入するという事になり、当時の製図書き出しプロッターの線幅が0.3ミリという事でそれ以降CADに入力する手描きマスター製図も0.3ミリに統一されました。
またCAD導入をきっかけとしてそれ迄の様々な職人的作業が効率的で合理的な方向にシフトしていきました。
今では殆どのメーカー様や工場様にCADシステムが導入され、パターンナーもマスター製図段階でCADを使用して製図を描いている現状だと思います。
当時から思えばパターンナーの業務も随分合理化、省力化され来ていると思います。
とはいえ、今のインナーアドバイザーの仕事を始めて色々な契約先様の企画やパターン担当の皆様と関わるなかで少し感じる事があります。
それはマスター製図を引くときの線質へのこだわり方です。
目的にそった良い商品を作る為に、マスター製図はとても重要な事は理解頂いていますが
その為の製図の線質に関してはやや甘い場合も見受けられます。
原因はCADの中で製図を引く習慣のなかで、ややもすると線質へのこだわりが希薄になってきているのではないでしょうか?
精度の高いマスター製図を作る為にはCADもハンド製図も違いはなく、より良い製品を作り上げる為にはマスター製図の線質にもまた十分注意する必要があるのではと考えます。
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